こんにちは、よこらぼマガジン編集長の浅見です。
2017年4月から横瀬町に「地域おこし協力隊員」として赴任した石黒さん。
現在、横瀬町を縦横無尽に駆け巡り、様々な人との繋がりを作りつつ、横瀬町を盛り上げようと奮闘していらっしゃいます。
今回は、そんな石黒さんに、横瀬町の「地域おこし協力隊」としての想いを伺いました。
−本日はよろしくお願いします。まず、石黒さんが横瀬町の「地域おこし協力隊」になられた経緯を教えていただけますか?
私は埼玉のふじみ野市出身で、社会人になってからは8年間、車の販売の営業をしていました。8年勤めた会社を辞めて、英語教師になるために留学をしようとしたのですが、タイミングが悪く日本で他の仕事を探すことになりました。
そこから、自分でやりたいことを考える中で、自分の知り合いの中に「地域おこし協力隊」をやっていた人がいたんですね。その人の話を聞いて、地域に関わる仕事に興味を持ち、横瀬町の「地域おこし協力隊」にたどり着きました。
−「地域おこし協力隊」になる前に、横瀬町に来たことはあったんですか?
いや、それがなかったんですよ(笑)。で、いきなり横瀬町に来てみて思ったのは、「意外と住めるな」ということです(笑)。
−「意外と住める」ですか(笑)
はい、実際自然に囲まれた田舎ですし、自分がそういうところで生活をしたことがなかったので、不便なところなのかな、と思っていたんです。
でも生活をする分には全く困らなくて。安心しました(笑)。
−なるほど、それはよかったです(笑)。横瀬町に来てみて、どんな印象を持たれましたか?
そうですね、とにかく「人」がいいですね!ご近所さんのつながりがとても強いので、町民みんなが知り合いみたいな。すごく温かい場所だと思いました。
ちなみに、飲み会も多いのですが、それもまたいいですね(笑)。
−地域おこし協力隊としては、どのような活動をされているのですか?
横瀬町の地域おこし協力隊は、あらかじめ決められたことを実践するミッション型ではないため、自らやるべきことを見出しています。今は、横瀬町に来て数ヶ月のタイミングなので、とにかくインプットをしています。
町のあらゆるイベントに参加したり、いろいろな人たちと会ったりと。
−確かに、いろいろなところで石黒さんを見かける気がします(笑)。
ですよね(笑)。でも、いろいろなところを訪れることで、見えてくることもあります。
例えば、宇根の茶畑。せっかく素晴らしい場所で、素敵なお茶が作られているのに、これが後々にはなくなってしまう可能性がある…そういう話を聞くと「なんとかしたい!」と、そういう想いが湧き上がるんですよね。
−なるほど、現場に出向いているからこそ見えてくることですね。
そうですね。こういった、「どうにかしたい!」ということを、人を巻き込んで一緒にやっていきたいですね。
やはり、地域の人も今は元気でも5年後はどうなっているかわからない、というのが実情。だから、なるべく素早くいろんなことをやっていきたいのです。
そのために、役場の皆さんではやりずらいことを
今の「地域おこし協力隊」の立場を良い意味で利用して、どんどんと地域の人たちに繋がりを作りたいと思っています。
−4月から、トップクリエイターたちが集まる「横瀬クリエイティビティー・クラス」がスタートしていますが、その動きを見て、どのように感じられていますか?
とにかく子ども達の反応がすごいですね。クリエイティブという、新しいものに触れて、ものすごく刺激を受けていると思います。やはり、横瀬町で子どもたちの可能性なくすようなことはしたくないな、と思っています。
−といいますと?
やはり子どもの頃の環境ってとても重要だと思うんです。どのような経験を子どもの頃にしているか、によって、大人になっての仕事も大きく変わると思っています。なので、横瀬町では、子どもたちに様々なことを知ってもらう「機会」を作りたいと思います。
その「機会」を活かすかどうかは、子ども次第ですが、そのために大人としてできることは、「機会」を作り続けることだと思っています。
−確かに。子どもの頃に“楽しい”・“刺激が沢山ある場所”、という記憶があれば、この土地を好きになるかもしれませんしね。
−活動をする中で、課題と感じられていることはありますか?
そうですね。地域ごとの意見の相違があった時が一番困りますね(笑)。やはり、それぞれの地でやってきたものがあり、新しいことをやろうとしたり、今までと違うことを考えたりすると、どうしてもそれぞれの言い分が出てきたりして、相違が生まれるんです。
そんな時にうまく間を取り持てれば良いと思っているのですが、なかなかその点に苦労していますね。
−なるほど、それは大変そう…
あとは、横瀬町に多くの人が来て欲しいと思いつつも、設備や掃除が行き届いていないことも課題ですね。やはり、管轄や職務の範囲みたいなものがあって、それに縛られて、訪れてくれる人の目線になれていないことがあります。
そういったことを、徐々に解決していかないとかな、と考えています。
−最後に、横瀬町を今後どのような町にしていきたいですか?
自分が歳をとっても、住みたい、と思える町にしたいですね。自分が歳をとった時に、周りには高齢者ばかり、ではなく、若い方が活気を持っている町が理想です。そのために、今から若い世代を巻き込んで、いろいろな活動をしていくのが大事かなと、そう考えています。
−なるほど、ありがとうございました!
横瀬町の将来を見据えて、今できることを全力で取り組んでいる石黒さん。町民の同じ目線に立つことで、見えてくる現場の課題もあるかと思います。それらに向き合い、横瀬町に住む人、そして、訪れる人のために活動を続けてらっしゃる姿勢に強く共感をしました。
これからも、頑張ってください!