「よこらぼ」の初期から、横瀬町民と農業体験などを実施している「TABICA(タビカ)」。地域とのコミュニティを大切に、横瀬町でもTABICAのサービスを展開しています。
今回は、TABICAの運営会社「ガイアックス」の担当、馬場さんにお話を伺いました。
−今日はよろしくお願いします。まずは、TABICAのサービスについて教えていただけますか?
はい、よろしくお願いします。TABICAは地域の資産を生かした「CtoC(消費者間取引)」のマッチングプラットフォームです。
−む、難しい言葉が出ましたね(笑)。
あ、失礼しました(笑)。例えば、横瀬町で畑を持っている方(TABICAではホスト、という)が農業体験などの企画をTABICAのWebサイトに公開して、それに興味を持ったユーザーが、その農業体験に参加する。こういった人と人をつなぐ役割を担っているサービスがTABICAです。
−なるほど。現地の人と、その土地に行ってみたい・体験してみたい、という人をダイレクトにつなげるイメージですね。どうしてこのようなサービスを始めたのでしょうか。
そもそも、「体験は価値になる」という世間の流れになることが前提です。
例えば、農業体験などは、ホストからしたら農作業を手伝ってもらうので、お金を参加者に支払うというのが従来の価値観でした。でも、今は都会に住んでいて、そういった農作業に対し、お金を払ってでもやってみたい、というニーズが出てきているんですね。価値を感じる対象が「モノ」から「コト」に変わってきているということです。
−「体験」を提供することで、価値になるんですね。
はい、そうです。ホストの方が今まで積み上げてきた貴重なスキルのシェアをすることで、大きな価値になります。それをTABICAではお手伝いしているイメージです。
また、体験が価値になることを地元の人に知ってもらうことで、地元愛を発信しやすくなると思います。
−といいますと?
自分たちにとっては何気ないことも、人によってはものすごく価値のある、ということを知ってもらうだけで、自分のやっていることに自信を持ってもらえると思うんです。その自信が地元での活動への誇りになる。その結果、地元を愛する気持ちが、さらに強くなる、そう思っています。
−ホストと参加者がダイレクトにつながることで、絆も生まれそうですね。
まさにそうですね。TABICAはプラットフォームですが、人と人が繋がるコミュニティを作っています。
こういったコミュニティを活性化させるには、人が介在しなければ成立しないことが多いんですね。例えば、参加者を集めたり、お金を集めたり。いろいろなハードルが出てきます。その部分をTABICAが介在することで、ホストの人に余計な負担なく、自分の好きなことに集中してもらうことができるんです。
−なるほど。そうやってコミュニティを形成しているのがTABICAなんですね。
実際にTABICAを横瀬町で展開してみて、感触はいかがでしょうか。
とてもよいですね。横瀬町の皆さんはお世辞抜きで、本当に人が良く、繋がりも強い!この繋がりが強い、というのはとても重要で、参加するユーザーにもコミュニティの価値が伝わりやすいんです
ユーザーもこの土地の人たちと強く繋がれた、という想いを持ってもらえると、その土地そのものへの愛着が湧きます。結果、その愛着がその土地を再度訪れる理由になるんですね。
−確かに!横瀬町の人は、とにかく明るく積極的ですよね。
いろいろなことに積極的に絡んでいただけるから本当にありがたいです。積極的な方が参加されるコミュニティはとても質が高いものになります。繋がりが密になることで、ユーザー同士の満足度も高くなりますからね。
−コミュニティはどのくらいの人数が参加することが多いのですか?
バラバラですが、大抵20名以内というのが多いです。やはり、密な繋がりを維持したり、ホストの体験・ナレッジ(知識・知恵)をシェアするには、そのくらいの人数が限界なのかな、と思っています
−そうですね。大人数だと、どう関わればいいのか迷ってしまいそうですしね。ちなみに、横瀬町にはどのよう魅力を感じていますか?
都心から近いことがものすごい魅力ですね!東京から2時間かからず、これだけの大自然があるのはとても素敵です。また、農業体験ができる場所が多いことも、魅力ですね。
−といいますと?
少子高齢化が進む中で、農業はとても大きな課題なんです。せっかく培ってきた農業の土壌やノウハウがなくなってしまうのはもったいない…それをTABICAではつなげていきたいと思っています。
−なるほど。今後、横瀬町ではどのようなことをやっていきたいと考えていますか?
アクティブシニア(定年後に自分の好きなことに積極的に取り組む高齢者)の方が参加できる企画を作っていきたいですね!
日本の平均寿命が伸びる中で、定年後の生活時間もどんどん増えています。その時間で、自分が積み上げてきた体験やスキルをシェアする活動ができれば、仲間ができたりコミュニティに参加できたりします。そうやって、自分の体験やスキルをシェアすること自体が、生きる喜びになっていくかと思います。
今までは、自治体から公助を受けていたものが、今後は自分たちの体験・スキルのシェア(共助)をする時代になっていくのではと思います。つまり、シェアリングエコノミーですね。
−シェアで繋がる人の輪ですね、素晴らしいです。
老若男女、様々に人に関わってもらうことができるのがTABICAです。
ホストのナレッジをより多くの人にシェアするために、子供から大人まで、様々な人に関わってほしいですね。
まずは、ホストになるのは少しハードルが、という人も、ぜひユーザーとして、体験を楽しむところから初めてみてほしいです!実際に、最初はユーザーとして企画に参加したあと、自分でもやってみたい!とホストを始める、という人もいます。それだけ、体験をシェアするという経験が新鮮な感覚なんだと思います。
−なるほど、横瀬町でもさらにシェアの輪が広がっていくと良いですね!
今日はありがとうございました!
地域の人々の経験やスキルをシェアして、より多くの人に体験の価値を届けるTABICA。横瀬町でもまだまだシェアできる経験・スキルが多くあるかと思います。町民の皆さんも、ぜひ積極的にTABICAの企画に関わってみてください!