こんにちは、よこらぼマガジン編集部の浅見です。
みなさんは地元のお店でランチをすることはありますか?
「店の前を通ったことがあって、前から気になっていた」「噂は聞いているけど、まだ行ったことがない」なんてお店もあるのではないでしょうか。よこらぼマガジンでは、横瀬のお店を取材し、そのお店ならではの特徴や魅力をご紹介していきたいと思います!
第一弾の今回は「おそば屋さん」特集です。注目の新店から老舗のお店まで、それぞれの独自のこだわり・魅力をお届けいたします!
創業160年の老舗醤油店がこだわる“かえし”が絶品!『醤(ひしお)』
国道299号線から県道11号線に曲がり、大野原方面に向かう道中にあるそば店『醤(ひしお)』。こちらは、創業160年老舗のお醤油屋さん「島田醤油店」が5年前に開業したそば屋。昔ながらの伝統的な製法で作られた醤油を使った“かえし”がとても評判です。
力強い「醤」の文字が染め抜かれたのれん
そば店の隣に、島田醤油店醸造店が店を構えている。秩父でも最も古いお醤油屋さんだそう
店内はカウンター5席、テーブル席が12席ほど。土日には行列ができることもしばしば
『醤(ひしお)』の特徴は何と言っても、代々受け継がれてきた製法で作った醤油を使った、“かえし”(つけつゆ)。そば屋というと、「そば粉」や「手打ち」にこだわることが多いですが、つゆに一番力を入れる、というのは珍しいですよね。
そもそも、このお店を始めた理由が、自店の醤油をたくさんの人に親しんでもらいたいからだそう。そのため、お醤油屋さんでなければできない発想で、甘めの味に子どもから大人まで、幅広くそばを楽しんでもらえる味に工夫されています。
“かえし”を楽しむためのシンプルなメニュー
なんと家族で来店すれば、小学生以下のお子様は半せいろを無料で注文できる
店主の島田さんも、「お客様に喜んでもらうことが第一」として、開業前に秩父の様々な飲食店を回り、どんなニーズがあるかを徹底分析。そこで、気づいたことが、人気のそば屋さんはそばの量が多く、お客様がお腹いっぱいになることが一つポイントだと発見。その経緯から、通常の“もり”を200gに設定。(通常は120〜150gが一般的)
結果的に「醤」に訪れるお客様の満足度は非常に高く、訪れるお客様の実に9割がリピーターとのこと。
一番人気の「天せいろ(大盛り)」(税別 1,350円)
“もり”も迫力がある
サクサクの天ぷらはエビ、きのこをベースに、香味野菜などを季節ごとに提供
甘めの醤油で、多くの人に受け入れやすい味を心がけている
また、「そば湯」をいただく際も、醤油のこだわりが活きています。“かえし”には濃いめの味の醤油を使用しているため、そば湯で割っても醤油の味が負けず、最後までしっかりと味わうことができます。訪れるお客様も、このそば湯を飲みたい!という想いで来られる方も少なくないとか。
そば湯を注いでも、醤油の味が負けないのが特徴
「お客様に喜んでもらいたい」と笑顔で語る店主の島田さん
醤油をこだわり抜いたそば。そばの風味はもちろんのこと、醤油の奥深さを感じることができるお店でした。ぜひ、ランチで足を伸ばしてみてください。
店名:醤(ひしお)
営業時間 :11:30~13:30 または麺終了時
定休日 :水曜日・木曜日
アクセス :「横瀬駅」から車で約6分
参考サイト:歩楽里(ぶらーり)よこぜ
親子2代で作るメニュー“会い盛り”が絶品!『そば処 紡(つむぎ)』
横瀬町の坂氷交差点近くにある人気そば店『紡(つむぎ)』。昭和58年に創業し、平成2年にこの場所へ移ってきた「快晴軒(かいせいけん)」が一昨年そば店としてリニューアル。
こだわりの十割そばを作り、密かに人気を集めています。
店内は大きい窓から日光がふんだんに差し込む。姿の池も良く見える絶好のロケーション
「紡」は初代店主の息子さん(木暮 亮介さん)が『快晴軒』を継ぐことになり、そば店として再スタートしたお店。『快晴軒』時代は洋食がメインのレストランでしたが、昨今の観光の盛り上がりからか、お客様からは「おそばを食べたい」 というニーズを聞くように。それに応えることが、今後この店をさらに盛り上げるポイントと考え、亮介さんが東京・品川のそばの老舗『吉田屋』で修行へ出る。
3年間の修行ののち、秩父へ帰り、『快晴軒』を『そば処 紡』としてスタートさせたそう。
一番人気は、そばとうどんの会い盛りセット(税込 900円)
そばはこだわりの十割
亮介さんが修行した『吉田屋』は十割そばが特徴。その流れを受け継いで『紡』でも十割そばを提供しています。
『紡』で何より大切にしているのが「お客様に満足してもらうために、ニーズに応えること」。十割そばの“香り”を楽しんでもらうことに注力しており、そのため素材選びもかなり試行錯誤をしたようです。
そば粉は群馬・赤城山の農家から仕入れています。そばの香りが最も引き立つ“青刈り”をしたもの。
また、合わせ水は新潟から。秩父の水では香りや味が強く出すぎてしまうことがあり、十割の香りを活かすために、最も適した水を探した結果、今の合わせ水にたどり着いたそう。
一方で、天ぷらなどで使用する野菜はすべて秩父さん。味や香りを最大限生かすための素材を様々な場所から選び抜き、お客様に喜んでもらおうという姿勢が伝わりますね。
「もり」(900円 税込)はオーソドックスにそばを楽しめる
「そばがき」(500円 税込)は、そば好きなら食べておきたい!
香りの高さは、十割そば“ならでは”
十割そばは通常より水を多く加える「多加水」で打っているため、ボロボロとせずとても食べやすいのも特徴。この打ち方はかなり高度で、技術のある職人産でないとなかなか難しいそう。香りが良いだけでなく、食べやすいことも重要、というお客様目線を大切にしているからこその打ち方なのでしょう。
また、初代店主が手打ちしている“うどん”が一緒に食べられる「会い盛り」も人気。『快晴軒』時代から地元の人に愛されてきたうどんは、新しく生まれた十割そばと合わせて、変わらない人気を誇っています。
うどんは初代店主の手打ち。まさに親子二代のコラボレーション
そば、うどんは茹で分けをしているので、美味しいそば湯がいただけます
厳しい修行を経て、横瀬でそばを提供できる喜びを噛み締める、木暮 亮介さん(2代目店主)
時代の移り変わりと共に、洋食店からそば店への転換を図りつつも、お客様のニーズにしっかり応えていく、という姿勢は初代から受け継がれていることを感じました。香り高い十割そば、ぜひ堪能してみてくださいね。
店名:そば処 紡(つむぎ)
営業時間 :平日・土曜11:30~14:30 17:00~20:30 日曜・祝日11:30~20:30
定休日 :毎週月曜日(祝祭日の場合、火曜日)
アクセス :「横瀬駅」から徒歩で約12分
参考サイト:歩楽里(ぶらーり)よこぜ
みんなで手軽にそば打ち体験!「しんべい」
最後は、他のおそば屋さんとは少し違ったアプローチのお店をご紹介します。川東地区の「しんべい」。こちらのお店の特徴は何と言っても「そば打ち体験場」が併設されている点です。
体験場内の様子、数グループで体験できるよう何セットか道具が用意されている
「しんべい」は横瀬町のそばの会会員のため、使用しているそば粉も全て横瀬町産。地元の素材を活かして、最高のおそばを食べられるよう様々な工夫をしています。
そば粉はこの場所で挽いている
体験場は10年以上運営しており、この体験場でそば打ちを学び自分のお店を出した人もいるそう!もはや修行の場のようになっていますね(笑)。また、リピーターの家族も多いらしく、店主の指導がなくても、自分たちで一通り体験を済ませられる人たちもいるそうです。
この場所で「そば」を中心としたコミュニケーションができていることが素敵ですね。
「そば打ち体験」は日中の時間で実施しており、前日までの予約で利用することができます。4〜5人前のそば打ちでなんと3,500円(税込)!とってもリーズナブルに体験とこだわりのそばをいただくことができます。
それでは早速「そば打ち体験」をやってみましょう!
最初にそば打ちの工程を一通り説明した動画を見る
まずは、そば粉を練る
根気よく練ってできた生地をこねて伸ばす
お店の主人、田端さんが丁寧に指導をしてくれる
「のし」の工程を一通り終えたら、いよいよ「切り」。太めの麺が入るのも体験ならではの楽しみ
切った麺は体験場でそのまま茹でられる
全工程で大体45分〜60分程度、そば打ちが完了しました。丹精込めて打ったそばには、特別な愛情が沸くものですね。
体験場内でそのまま食すこともできますし、打った麺を持ち帰ることもできます。
自分が打ったそばが食卓にならぶ喜びはひとしお!
いびつな形の麺が入るのも笑えるネタになる(笑)
打ちたてのおそばは香りが格別!
「体験」と「食」がセットで楽しめる『しんべい』。家族でも友人同士でも、団体でも楽しくむことができそうです。自分で苦労して打ったおそばをすする瞬間の喜びは格別です!ぜひ体験に出かけてみてくださいね。
店名:しんべい
営業時間 :通常営業 17:00~21:30
※そば打ち体験は昼の営業 前日までに要予約
定休日 :毎週月曜日
アクセス :「横瀬駅」から徒歩で約20分
参考サイト:歩楽里(ぶらーり)よこぜ
皆さんのお好みのお店は見つかりましたか?横瀬町にも様々なこだわりのそば屋さんがあります。ぜひ、それぞれのお店の特徴を体験しに、足を運んでみてください!